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臼歯マイクロダイレクトの治療例・2017年6月6日

   

本日は久しぶりに愛歯科医院での治療例をご紹介します。
臼歯マイクロダイレクトのケースです。

「臼歯マイクロダイレクト」といきなり書きましたが、どういった意味なのかと申しますと、このようになります。

臼歯マイクロダイレクトとは?

「臼歯」つまり奥歯で行われる、「マイクロ」スコープ(治療用顕微鏡)をフル活用した、「ダイレクト」ボンディング(直接修復)治療ということになります。
ダイレクトボンディングとは、型どりをせず直接お口の中で詰め物を作り上げる治療法のことをいいます。

最近の愛歯科医院では、臼歯マイクロダイレクトが多くなってきています。
先週と今週でみると、毎日1件〜2件のアポイントが入っています。

そのような中での一つのケースです。

こちらは治療前の写真です。右上の奥歯に銀の詰め物が一つあります。その中と手前の歯にむし歯がありました。
今回はこの2本の歯の治療に臨みます。
術前1706ー01

一日目

銀の詰め物とその下のむし歯、そして手前の歯のむし歯を除去します。
当然のごとく、銀の詰め物を外すところからずっと、マイクロスコープで見ながら処置を進めます。
この日はむし歯を徹底的に取り除いて、露出した象牙質をコーティングして処置を終えています。マイクロカリエス除去

歯の表面に見える部分をエナメル質といいます。いわゆる白い歯の部分ですね。
その中には、やや黄色みがかった象牙質という部分があります。
象牙質は本来、外に露出していない部分です。細菌感染に対する抵抗力が低い組織です。
むし歯になってしまって歯に穴が開くということは、露出していてはいけない象牙質が外界にさらされてしまうことになります。
一日目の処置で、露出した象牙質を合成樹脂(コンポジットレジン)でコーティングすることにより、さらなる細菌感染から歯を守ることができるようになりました。

二日目

銀の詰め物が入っていた奥歯を、マイクロダイレクトボンディングで修復します。
今回も一日目と同じく、ラバーダムを設置して処置を進めました。
一日目の処置で「むし歯の除去」はすでに完了しています。

ダイレクトボンディングを進めるにあたって、少し段差が残っていたので、これを整えてスムーズにします。プロフィン!

ここにこういう段差があるということは、裸眼だと私なら気づけなかったかもしれません。
マイクロスコープで患部を拡大して見ながら処置を進めることで、このような微細な段差も適切に処置することができます。
二日目が終わった直後がこの状態です。二日目

三日目

銀の詰め物が入っていた奥歯の、手前の歯を処置します。
いちばん奥の歯から数えると三番目の歯ですね。
ここは過去に治療を受けた経験がない歯です。
そのため、今回は削る範囲をできるだけ小さくとどめる方針としました。これをミニマルインターベンション(=最小限の介入)といいます。
このような治療方法は、私たちのような歯科医療の専門家の間でも賛否が分かれます。
長持ちさせるためにはあえて大きく削っておいた方がいいという意見もあります。
ただ今のところ私は、大きく削るのは後からでもできるので、その歯にとっての最初の治療ではできるだけ削る範囲を小さくとどめておきたいと考えています。
もしこの歯の治療が、健康保険適用の銀の詰め物で行われるとしたら、より大きく削ることになっていたでしょう。

三日目の処置が終わった状態がこちらです。

三日目

結果としてできるだけ自然な歯の外観が回復できました。
今まで銀歯だったところが、自然な歯の色になったわけですから、患者さんご本人さんにもたいそう喜んでいただけました。
しかし、美しく仕上げることは治療の第一目的ではありません。
マイクロスコープを活用しながら治療を進めることで、むし歯を徹底的に取り除くことがまず第一です。
そしてすき間なく詰め物を作ることと、噛み合わせに障害を起こさないことが第二、第三の目的です。
自然な歯の姿を回復させることは、第4の目的です。

最後に

今回のこのケースでは、ダイレクトボンディングを行ったところに対する最終の仕上げ、調整、つや出しを後日あらためて行う予定です。

今の私にできることを最大限にがんばったのですが、もともとあった天然の歯が復活したわけではありません。
むし歯の治療とはどこまで行っても人工物による修復でしかないのです。
この状態を生涯にわたってキープできるとは約束できません。

治療が必要となったときに、その時点での最善を尽くすこと。
そして治療が完了したら、以後のメインテナンスや予防に最善を尽くすこと。
これが歯の寿命を伸ばし、もって健康で快適な生活を送るための土台だと考えます。

今後も患者さんとともに、担当歯科衛生士、主治医とのチームワークで健康増進に寄与してまいります。

京都市中京区 四条烏丸の顕微鏡歯科 愛歯科医院 院長 金明善


 - ダイレクトボンディング, 治療例 ,

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