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歯髄を温存した精密むし歯治療の一例・170727

   

一日目

ある日、「詰め物がとれたんです」ということで来院された患者さん。
いちど見てみましょうということで治療をスタートしましたが、思いのほかむし歯が深い状態でした。

これは危ないなということで、ラバーダムを設置して治療の続きを進めました。

むし歯菌におかされた部分をぜんぶとりのぞくと、歯髄(いわゆる歯の神経)が露出してしまいそうな様子でした。
こちらは歯髄が露出する直前の写真です。

歯髄が露出しそう
青い色で見えているのは、う蝕検知液というむし歯を染め出す薬品で染められたところで、確実に取り除いておく必要があります。
その下に見えている赤っぽいのは、薄く残った象牙質を介して歯髄が透けて見えている様子です。

果たして、むし歯の除去を終えると、歯髄が顔を出しています。

歯髄が露出
「こういう状況ですので、神経をとりましょう」・・・とはならず、歯髄の保護に進みました。
出血もなく、きれいな歯髄組織が確認できます。

歯髄を保護するために、MTAというお薬というか歯科材料を使います。
MTAで歯髄を保護

一日目は、MTAの上から接着性レジンで露出した象牙質をすべてしっかりとコーティングして処置を終えました。
接着性レジンでコーティング

二日目

この歯の治療では2回目のご来院が本日でした。
まずは症状の確認です。痛みやしみるなどといった自覚症状はなかったとのことで、まずは一安心です。
引き続き、電気的歯髄診断(EPT)を行います。EPTとは、歯に電流を流して歯髄が生きているかどうかを診査する検査方法の一種です。
反応あり、ということで歯髄は生きたまま温存できているという判断のもとに治療を続けます。

こんかい治療を行った歯は、左上の犬歯です。犬歯というのは前歯と奥歯の中間にあり、文字通り「要」の役割を果たす歯です。
この犬歯がどれだけ元気でいるかということが、歯列全体を健康にたもつために重要なファクターとなります。

本日もラバーダムを設置して、処置を進めました。
むし歯が歯ぐきとの境目に広がっており、ラバーダムの設置も難しいところがあったのですが、なんとかきれいにできました。

ラバーダム

後はガタガタしているところを整えて、コンポジットレジンで歯の形を修復します。
治療後の写真がこちらです。治療としてはこれで完了なのですが、あらためて別の歯の治療でご来院いただくときに、再度チェックします。
形の修正と表面の研磨はふたたび厳密にしておくつもりです。

治療後

この写真の矢印で示したところは、以前に治療したところです。

むし歯になったところを削り取って、できた穴を埋める・・・書いてしまえば普通の歯科治療です。
普通ではありますが、これを精密に、そして確実に進めるためには、やはりマイクロスコープが必要だと痛感します。

まだ治療は終わったばかりです。歯髄(歯の神経)を温存することができたとは思いますが、今後ともこの歯が元気でいてくれるか、注意して経過をみていくことにします。

京都市中京区 四条烏丸の顕微鏡歯科 愛歯科医院 院長 金明善


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