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新学期直前に間に合った!ダイレクトボンディングで前歯のすきっ歯を解消

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新学期直前に間に合った!ダイレクトボンディングで前歯のすきっ歯を解消

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新学期直前に間に合った!ダイレクトボンディングで前歯のすきっ歯を解消

今回ご紹介するのは、前歯のすきっ歯(#12、#22)をダイレクトボンディング法で治療した20代女性のケースです。大学生の患者さんで、新学期が始まる前にすきっ歯を治したいとのご希望がありました。「歯を見せて笑えない」というのが最大の悩みだったそうです。歯科医療では、歯そのものの問題と同時に、その問題が解決されたときに患者さんの生活がどのように変わるのかを考慮しながら治療法を選択することが重要です。

初診時には複数の治療法をご説明し、治療期間を短く抑えられるダイレクトボンディング法を選択することになりました。以下では治療のステップをご紹介します。

治療のステップ

1回目 初診相談
– 患者さんのご希望を詳しくお伺いし、X線写真を撮影して前歯にむし歯や歯周組織の問題がないかを確認しました。
– すきっ歯の治療法は複数ありますが、むし歯もなく、歯ぐきやかみ合わせの状態も良好でしたので、ダイレクトボンディングが適用可能と診断しました。
– メリットやデメリットを他の治療法(矯正やセラミック治療など)と比較しながらご説明し、仮充填によってイメージを確認していただきました。
– その結果、患者さんにご納得いただき、スケジュールを決定しました。

2回目 歯石除去と型取り
– ダイレクトボンディングに入る前に、歯石除去とクリーニングを行い、口腔内を清潔な状態に整えました。
– その後、石膏模型を作るための型取りを行い、必要に応じてワックスアップ用の資料を準備しました。

3回目 ダイレクトボンディング
– 院長が診療時間外に、石膏模型を用いたワックスアップと形態ガイド(シリコーン製)の作製を行いました。

– 治療当日、来院された患者さんに計画した手順を改めてご説明し、マイクロスコープで確認しながら、すき間のないよう慎重にレジンを築盛しました。

– 仕上がりを鏡で確認していただいたところ、「これで心おきなく新学期を迎えられる」と大変喜んでいただきました。
– 今後は定期メンテナンスを通じて、治療部位のチェックや予防処置を続けてまいります。

京都市中京区 四条烏丸 愛歯科医院 金明善

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マイクロスコープを活用した精密むし歯治療とダイレクトボンディング

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マイクロスコープを活用した精密むし歯治療とダイレクトボンディング

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マイクロスコープを活用した精密むし歯治療とダイレクトボンディング

治療の経緯

今回ご紹介する治療例は、40代男性の方で、右下奥歯(#45)の銀の詰め物を除去し、むし歯部分を精密に除去した上でダイレクトボンディングで修復を行ったケースです。

愛歯科医院には「悪いところがあれば全部治してほしい」というご希望で来院されました。まずは緊急性の高い部分から順番に治療を行っていきました。緊急度、重要度から治療順序を決めていきます。多くの治療を行った中から、今回は一例をご紹介します。この歯は詰め物の大きさや位置などを総合的に判断した結果、コンポジットレジンを使ったダイレクトボンディングでの修復が適応可能と考えました。

治療ステップ

STEP 1:術前診断


・X線写真を撮影し、過去の治療で深い箇所はあるものの、歯髄(神経)までは達していないと診断しました。
・ダイレクトボンディングによる修復が可能と判断しました。

STEP 2:インレー(銀の詰め物)を除去


・局所麻酔を行い、ラバーダムを装着してから治療を開始しました。
・銀の詰め物(メタルインレー)を除去し、歯の内部を露出させました。

STEP 3:むし歯部分を除去


・歯の内部にあったセメントを取り除き、う蝕検知液を使いながらむし歯を丁寧に除去しました。
・取り残しがないように何度も確認を繰り返して、清潔な歯質面を確保しました。

STEP 4:歯髄保護


・ハイドロキシアパタイト(歯の主成分)を補給し、その上からコンポジットレジンでコーティングしました。
・脆弱な象牙質面を補強し、強度を高めるための処置を行いました。

STEP 5:ダイレクトボンディング


・失われた歯質を補い、もとの形態や機能を回復させるためにコンポジットレジンを直接充填しました。
マイクロスコープ下で、むし歯の取り残しや修復物と歯とのすき間がないかを確認しながら丁寧に進めました。

治療後の状態


・自然な色調と形態を取り戻し、かみ合わせにも配慮した修復を実現しました。
・患者さんは治療結果にご満足され、今後も定期メンテナンスでむし歯の再発がないか経過観察を行う予定です。

京都市中京区 四条烏丸 愛歯科医院 金明善

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骨造成を回避したインプラント治療の一例

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骨造成を回避したインプラント治療の一例

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骨造成を回避したインプラント治療の一例

治療の経緯

左下の奥歯(#36)に以前受けた治療が気になるとのことで来院されました。診察の結果、残念ながら残せる状態ではなく、抜歯以外の選択肢がないと診断しました。患者さんと相談のうえ抜歯を行い、その後は患者さんのご希望を尊重し、しばらく何もせず経過を観察しました。

経過観察をしていく中で、患者さんから「噛みにくさを感じるので、やはり歯を入れたい」というご要望があり、再度治療計画について説明。さまざまな方法を比較検討した結果、患者さんはインプラント治療を選択されました。

治療計画とポイント

抜歯前の段階で患部には強い炎症と膿がみられ、その状態が長期間続いていたため、歯を支える骨の形が失われ、いびつになっていました。このような骨量不足や形態異常がある場合、骨造成を行ってからインプラントを埋入することが一つの選択肢となります。

しかし、骨造成には下記のようなデメリットが存在します。

– 外科手術の回数が増える
– 治療期間が長くなる
– 骨造成の結果に不確実性がある

そこでこのケースでは、直径が大きく、長さが短いタイプのインプラントを選択することで、骨造成を回避する方針を立てました。

治療の流れ

1. 検査
– X線写真、CTスキャン、口腔内写真、光学スキャンなど、インプラント治療のための検査を実施
2. 設計・サージカルガイドの作成
– 歯科医師と歯科技工士が連携して治療計画を検討し、インプラント埋入手術のためのガイドを作成

3. インプラント埋入処置
– 骨造成は行わず、適切な形状のインプラントを選び埋入
4. 上部構造の装着
– インプラントが骨としっかり結合した後、セラミック製の上部構造を作成し、装着


治療後の経過

手術から1年後に撮影したレントゲンでは、インプラントが周囲の骨にしっかりと支えられているのを確認しました。むしろ骨量が増加しており、適切な位置・角度で埋入することで生体が良好に反応したと考えられます。歯ぐきのラインも自然で、審美的にも良好な結果が得られました。

今後は定期メンテナンスを続けながら、慎重に経過を観察していきます。

京都市中京区 四条烏丸 愛歯科医院 金明善

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「できるだけ歯を残したい」〜歯髄温存療法とクラウン修復の治療例〜

2025.03.11 歯髄温存療法

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「できるだけ歯を残したい」〜歯髄温存療法とクラウン修復の治療例〜

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「できるだけ歯を残したい」〜歯髄温存療法とクラウン修復の治療例〜

この患者さんは、以前に治療を受けた歯の状態が気になり、診察と検査を希望されました。
診察の結果、金属の詰め物の下でむし歯が深く進行していることが判明しました。

むし歯を取り除くと歯髄(歯の神経)に到達する可能性が高く、通常であれば根管治療を行うケースですが、根管治療をすると歯の強度が低下し、寿命が短くなるリスクがありました。

そこで、患者さんと相談のうえ、歯髄温存療法を選択し、できるだけ歯を残す方針で治療を進めることになりました。リスクや成功率、必要な治療時間と費用について十分に説明し、患者さんご自身に最終的な選択をしていただきました。

治療の流れ

1. むし歯の除去と歯髄温存療法

まず、局所麻酔を施し、ラバーダムを設置して唾液の侵入を防いだうえで治療を開始しました。

むし歯を徹底的に除去し、取り残しを防ぐためにう蝕検知液を使用しながら慎重に作業を進めました。

むし歯の除去がほぼ完了する頃、想定通り歯髄が露出しました。この時点で、歯髄の状態を観察し、健康な神経を残せるかどうかを判断します。

歯髄から出血が一時的に見られましたが、短時間で自然に止血したため、保存可能な健康な歯髄であると判断しました。
そこで、MTAセメントという生体親和性の高い材料を充填し、歯髄を保護しました。その後、保護膜を形成し、コンポジットレジンを充填して歯の強度を確保しました。


2. 歯冠修復(クラウン治療

この歯はむし歯の進行が深く、歯冠(歯の頭の部分)の大部分が失われていたため、部分修復では十分な機能回復ができませんでした。
そのため、全部被覆冠(クラウン)による修復を選択しました。

まず、仮のクラウン(テンポラリークラウン)を装着し、かみ合わせや歯の形態を慎重に調整しました。
また、この期間に歯髄が炎症を起こしていないかを確認し、問題がないことを確認したうえで、最終的なセラミッククラウンを製作しました。


セラミッククラウンを装着し、治療が完了しました。

治療結果と経過

患者さんは治療後も定期メンテナンスに継続してご来院されています。
この記事を執筆している2025年3月の時点で、治療から1年半が経過していますが、特に問題はなく、X線写真でも病的な兆候は見られません

今後も慎重に経過を観察し、長期的に安定した状態を維持できるようにしていきます。

まとめ

歯髄温存療法は、歯の神経を守りながら歯の寿命を延ばす選択肢の一つです。
今回のケースでは、慎重に治療を進めたことで、根管治療を回避し、歯の機能を維持することができました

「できるだけ歯を残したい」「神経を抜かずに治療できる可能性があるなら相談したい」とお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。

京都市中京区 四条烏丸 愛歯科医院 金明善

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「前歯をきれいにしたい」 〜根管治療・歯周外科・セラミック補綴による審美治療〜

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「前歯をきれいにしたい」 〜根管治療・歯周外科・セラミック補綴による審美治療〜

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「前歯をきれいにしたい」 〜根管治療・歯周外科・セラミック補綴による審美治療〜

「前歯をきれいにしたい」 そのご希望に応えるために

この患者さんはすでに愛歯科医院に通われている方のご紹介でご来院されました。
最も気にされていたのは、前歯の見た目を改善したいということでした。

しかし、ここ数年は歯科医院でのケアや治療を受けられておられず、お口全体の健康状態を整える必要がありました。そのため、いきなり補綴治療を進めるのではなく、まずは歯周病治療や親知らずの抜歯などの基礎治療から開始しました。

治療の流れ

1. 口腔環境を整える基礎治療

まずは歯周病治療を行い、健康な歯ぐきを維持できる状態にしました。加えて、必要な親知らずの抜歯を行い、お口の環境を整えました。

2. 根管治療(マイクロスコープ精密根管治療)

右側の前歯はすでに神経がない状態だったため、根の先に感染が広がらないよう精密根管治療を行いました。これにより、根の病変を除去し、歯の寿命を延ばすことができました。

3. 歯ぐきのラインを整える歯周外科処置

歯ぐきのラインが左右で不揃いだったため、見た目のバランスを改善する目的で歯周外科処置を実施しました。歯ぐきの形を整えることで、最終的なセラミッククラウンがより自然で美しく仕上がるようにしました。

4. 仮歯の調整

治療期間中は仮歯を装着し、見た目を保ちつつ、仮歯の形状を微調整しながら歯ぐきのラインを整えました。これにより、最終的なセラミッククラウンの仕上がりがより自然なものになりました。

5. セラミッククラウンの製作・装着

準備が整った段階で最終的な型取りを行い、セラミッククラウンを製作しました。ただし、前歯4本のうち1本は過去に他院で治療されていたため、今回はその歯には手を加えず、他の歯との調和を意識して製作しました。既存の歯と新しいセラミッククラウンの見た目を合わせることは難易度が高いのですが、歯科技工士と密に連携し、色調や形態を慎重に調整しました。

治療結果と経過

前歯の見た目が整い、機能面でも良好な仕上がりとなりました。患者さんは大変満足され、長年気になっていた前歯の悩みが解消されました。現在も定期メンテナンスを継続しており、今後も経過を注意深く観察していきます。

まとめ

前歯の見た目を改善するためには、単に被せ物をするだけでなく、歯ぐきのラインや噛み合わせも考慮することが重要です。今回のケースでは、精密根管治療・歯周外科・補綴治療を組み合わせることで、自然で美しい仕上がりを実現しました。

「前歯の見た目が気になる」「自然な仕上がりにこだわりたい」という方は、ぜひ一度ご相談ください。

京都市中京区 四条烏丸 愛歯科医院 金明善

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「歯ぐきにできものが…」 根管治療で歯を残す選択

2025.02.27 精密根管治療

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「歯ぐきにできものが…」 根管治療で歯を残す選択

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「歯ぐきにできものが…」 根管治療で歯を残す選択

歯ぐきにできものができた… その原因は?

患者さんから「歯ぐきにできものができている」とのご相談を受けました。診察の結果、右上第2小臼歯の歯根に炎症があり、それが膿となって歯ぐきに排出されていることがわかりました。

X線写真を確認すると、歯の根が短く、すでにヒビや破折の可能性もある状態でした。本来であれば、抜歯を検討するケースもありますが、患者さんの「できるだけ歯を残したい」というご希望をふまえ、根管治療を開始することにしました。

治療の流れ

– 初診・診断:歯根の炎症を確認し、治療計画を相談
– 1回目~4回目:
– ラバーダム防湿を設置し、唾液の侵入を防ぐ
– マイクロスコープを使用しながら、精密な根管治療を実施
– 根の感染部分を除去し、根管内を清掃・消毒
– 炎症が落ち着くのを確認しながら段階的に治療を進める
– 5回目(最終回):根管充填を行い、根管治療を完了する

治療後の経過

結果的に、炎症はおさまり、「歯ぐきのできもの」も完全に消失しました。
さらに、治療から4年後のX線写真では、歯根の先にあった骨の空洞(骨欠損)が回復し、顎の骨が歯の根にしっかりと寄り添っている状態が確認できました。

現在も良好な状態を維持しており、引き続き定期メンテナンスを通じて注意深く経過を観察しています。

京都市中京区 四条烏丸 愛歯科医院 金明善

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転居を控えていて、その前に治療を終えたい

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転居を控えていて、その前に治療を終えたい

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転居を控えていて、その前に治療を終えたい

長年の通院の中で、抜歯が必要に

この患者さんは2005年から当院に通われていた方で、主に定期メンテナンスを受けながら口腔の健康を維持されていました。時折、必要に応じて治療を行うこともありましたが、大きな問題はありませんでした。

しかし、ある日の診察で、下の奥歯(#36)に深刻な問題があることが判明しました。この歯はすでに神経がなく、根の状態も弱っていたため、保存が難しいと判断。抜歯をする必要があると診断しました。

転居予定のため、治療期間を短縮

抜歯後の治療計画について相談した結果、患者さんはインプラント治療を選択されました。
しかし、近々転居を予定されていたため、治療期間をできるだけ短縮したいというご希望がありました。

通常、抜歯後に治癒期間を置いてからインプラント治療を行いますが、それでは治療完了までに時間がかかります。そこで今回は、抜歯と同時にインプラントを埋入する「抜歯即時埋入」を採用しました。

治療の流れ

– 診断・相談:抜歯の必要性を説明し、治療計画を決定
– 抜歯と同時にインプラント埋入(抜歯即時埋入):短期間で治療を完了するための選択
– 治癒期間:約6ヶ月(その間も転居前のメンテナンスを実施)
– 最終補綴(人工歯の装着):機能性・審美性ともに良好な仕上がり

治療結果と経過

治療はスムーズに進み、機能的にも外観的にも良好な結果となりました。転居前の定期メンテナンスでも特に問題は見られませんでした。

現在は転居されていますが、一時的にでも京都に戻る機会があれば、引き続きメンテナンスに通いたいとのお話を伺っています。今後も注意深く経過を追い、長期的にインプラントを健康に維持できるようサポートしていきます。

【まとめ】

転居やお仕事の都合などで、「できるだけ短期間で治療を完了させたい」という方も多いかと思います。そのような場合でも、患者さんの状況に応じた治療計画を提案し、可能な限りスムーズな治療を目指します。

インプラント治療や抜歯即時埋入に関するご相談がありましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。

京都市中京区 四条烏丸 愛歯科医院 金明善

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留学中に大きなむし歯ができてしまった

2025.02.15 歯髄温存療法

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留学中に大きなむし歯ができてしまった

初診:留学先での応急処置を経て受診

この患者さんは、以前から当院で診察を続けていた方でしたが、留学先で大きなむし歯ができ、現地で応急処置のみを受けた状態で帰国後に来院されました。

診断と治療計画

診察の結果、むし歯は深く進行し、X線写真上では歯髄(歯の神経)に達している可能性が高いことが分かりました。通常であれば「神経を抜く(抜髄)」処置を行うことが多いケースです。しかし、患者さまと相談のうえ、歯髄温存療法を選択し、できるだけ歯の神経を残す方向で治療を進めることになりました。

治療の流れ

– 初診(診断・治療計画の相談):留学先での応急処置後の状態を確認し、治療方針を決定。
– 2回目(歯髄温存療法):
– ラバーダム防湿を行い、むし歯を慎重に除去。
– 歯髄温存療法を実施し、神経を保護する処置を施す。
– 3回目(最終修復):
– 症状がないことを確認し、ダイレクトボンディング法により歯冠修復を実施。
– 治療完了。

合計3回の治療で歯を保存し、機能を回復させることができました。

治療後の経過

2025年1月、治療から5年経過した時点でのチェックを行いましたが、異常は見られず、良好な経過を維持していることが確認されました。
現在も定期メンテナンスを継続しており、今後も慎重に経過を追っていきます。

【むし歯が深くても「神経を抜かない」選択】

深いむし歯になると、従来は神経を抜くことが一般的でした。しかし、歯髄温存療法を適用できるケースでは、神経を残すことで歯の寿命を延ばせる可能性があります。
すべてのケースで適用できるわけではありませんが、「なるべく歯を残したい」とお考えの方は、一度ご相談ください。

京都市中京区 四条烏丸 愛歯科医院 院長 金明善

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抜歯即時埋入インプラント治療

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抜歯即時埋入インプラント治療

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抜歯即時埋入インプラント治療

初診:クラウン脱離

この患者さんは、数年にわたって愛歯科医院で治療とメンテナンスを続けておられました。ある日、過去に他院で治療した歯の被せ物(クラウン)が外れてしまい、ご相談にいらっしゃいました。

診断と治療計画

クラウンが外れた状態で歯の根を詳しく確認したところ、深い部分まで亀裂が入っており、残念ながら保存が難しいことが分かりました。患者さんと相談の結果、インプラント治療を行うことに決定いたしました。
今回は、”抜歯と同時にインプラントを埋入する「抜歯即時埋入」”という方法を採用しました。この術式は、治療期間を短縮できるだけでなく、周囲の骨を最大限に残せるメリットがあります。

治療の流れ

初診(クラウン脱離): 2023年11月28日
精密検査: 2023年12月15日
治療方針の説明: 2023年12月27日
インプラント手術: 2024年1月24日
印象採得・仮歯の装着: 2024年3月15日
セラミッククラウン装着(最終補綴): 2024年3月22日
インプラント埋入からわずか2ヶ月で最終的なセラミッククラウンを装着できました。治療回数も少なく、見た目も自然な仕上がりとなりました。

こちらの写真は、インプラント埋入手術直後のX線(レントゲン)写真です。適切な深さと角度でインプラントが埋入されていることが示されています。

治療を終えて

患者さんは過去に他院でインプラント治療を経験されていたため、迷うことなく治療に踏み切られました。治療後も良好な経過をたどっており、現在も定期メンテナンスでご来院いただいています。今後も慎重に経過を観察しながら、長くインプラントが機能するようサポートしていきます。

【インプラント治療を検討中の方へ】

以前は、抜歯後に歯茎が固まるまで待ってからインプラントを埋入するのが一般的でした。しかし、その場合、治療期間が長くなってしまうというデメリットがありました。
抜歯即時埋入は、抜歯と同時にインプラントを埋入することで、治療期間を短縮しながら、周囲の骨を維持できる治療法です。状況によって適応が異なるため、ご興味がある方はお気軽にご相談ください。

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乳歯の後ろから永久歯が生えてきた

2025.01.10 予防矯正

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乳歯の後ろから永久歯が生えてきた

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乳歯の後ろから永久歯が生えてきた

子どもの矯正治療~乳歯から永久歯へのスムーズな移行を目指して~

初診時年齢:5歳(2003年生まれ)
ある日、5歳のお子さまと保護者の方が当院を訪れました。主訴は「乳歯の後ろに永久歯が生えてきている」というものでした。このような状態は、乳歯がスムーズに抜けず、永久歯の生え方に影響を与える可能性があります。

治療の流れ


写真は矯正治療を開始する直前の様子です。乳歯がぴったりと並んでいます。
一見きれいな歯並びに見えますが、この歯並びでは永久歯が生えてくるスペースが足りず、このままだといわゆる「乱ぐい歯」になる可能性がありました。

矯正治療は6歳の時に開始しました。使用した装置は「3Dリンガルアーチ」というもので、永久歯を抜かずに自然な歯並びを形成することを目指しました。この装置は、成長期のお子さまの顎の発達に合わせて歯を理想的な位置に導く役割を果たします。

治療は11歳で終了しました。その時点で、歯列に若干の不整は見られたものの、患者さまと保護者の方が「これで十分満足」とおっしゃったため、第2段階の矯正治療(Ⅱ期治療)は行いませんでした。

現在の経過


治療終了後も定期的にメンテナンスを行いながら、歯列や噛み合わせの状態を見守っています。永久歯の並びが安定し、日常生活に支障がない状態を維持しています。

保護者の皆さまへ

お子さまの歯並びや噛み合わせは、成長とともに変化していきます。早期発見と適切な対応が、その後の歯列や健康に大きく影響します。お子さまの歯に少しでも気になる点がありましたら、ぜひお気軽にご相談ください。

京都市中京区 四条烏丸 愛歯科医院 院長 金明善

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Case1 入れ歯を卒業してインプラントにしたい

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Case1 入れ歯を卒業してインプラントにしたい

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Case1 入れ歯を卒業してインプラントにしたい

治療の詳細

次のようなステップで治療を進めました。一般的なインプラント治療の進め方になります。

治療の詳細

  • 検査(CT等)、インプラント治療計画の立案
  • サージカルガイドの製作
  • インプラント1次手術
  • インプラント2次手術
  • 型取り
  • 仮歯の製作、かみ合わせの確認
  • 最終セラミッククラウンの製作と装着
  • かみ合わせの確認と調整

現在も定期メインテナンスでご来院頂いており、良好な経過をたどっています。
(技工担当:有限会社Zahn/田中歯科技工士)

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Case1.歯を磨くと血が出る

2024.12.02 歯周病治療

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Case1.歯を磨くと血が出る

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Case1.歯を磨くと血が出る

治療の詳細

治療方針は歯周病治療の国際標準に従い、着実に進めました。
保存不可能な歯の抜歯とともに、原因除去療法(ブラッシングの強化と歯石除去)を行いました。
治療後は腫れていた歯ぐきが引き締まり、良好な状態になっています。
治療開始前の段階では残せるかどうか未定だった歯も状態が落ち着いてきて、できるだけ残していこうとしています。
現在(記事執筆時点の2022年7月)はサポーティブペリオドンタルセラピー(SPT)を継続中です。

所感

ブラッシング(歯磨き)は毎日の生活の中で行われます。歯周病治療でもっとも重要なポイントはこのブラッシングです。ブラッシングの状態が改善されなければ、どんなに高価な薬剤や特殊な手術法を用いたとしても、歯周病治療は成功しません。

この患者さんの場合、担当歯科衛生士との二人三脚で、ブラッシングを非常によく頑張ってくれたため、治療が成功に至ったと考えています。ブラッシングと歯石除去をあわせて「歯周基本治療」と呼びます。これがもっとも大事な治療の段階となります。

ここができていないと治療は成功しません。大事な治療ステップですが、地味な治療です。派手さはありません。たとえ地味ではあっても、大切な基本をおろそかにせず、粘り強く取り組むことが、結局のところ歯周病治療を成功に導いてくれます。

私がいつも患者さんにお話しすることは、「歯の治療に逆転満塁ホームランはない」です。
今後とも引き続き注意深く、経過を観察していきたいと思います。

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Case2 歯を削らずにすきっ歯を治したい

2024.12.02 すきっ歯

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Case2 歯を削らずにすきっ歯を治したい

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Case2 歯を削らずにすきっ歯を治したい

治療の詳細

歯を削らずに、できるだけ短期間で可能な方法を、というご希望でした。
拝見したところ、むし歯もなく、歯ぐきの状態も良かったため、ダイレクトボンディングが可能であると診断しました。

治療中

治療中

マイクロスコープで記録された画像です。
ラバーダムを装着して処置を始めます。
患者さんに合わせて作られた、カスタムメイドのシリコーンガイドを用いて、歯の新たな形を作っていきます。

治療後

治療後

処置が終わって、喜んでいただくことができました。

3年経過時

3年経過時

治療後も定期的なメインテナンスでご来院いただいています。
3年経過時点での写真がこちらです。定期メインテナンスの際に、再研磨を行いました。

補足事項
  • 本ページに記載されている情報は、治療が行われた当時の記録に基づいています。
  • 歯科治療には不確実性があり、また、個別の状況は千差万別です。「これと同じ治療を」とご希望の場合において、必ずしもお応えできるとは限りません。
  • 掲載されている治療費には、初診料、検査料、他の歯の治療費などは含まれていません。
  • 治療費の改訂を随時行っております。これから治療を行うにあたってご提示する金額は、掲載されている額と異なる可能性があります。

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Case1 すきっ歯を治したい

2024.12.02 すきっ歯

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Case1 すきっ歯を治したい

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Case1 すきっ歯を治したい

治療の詳細

むし歯もなく、衛生状態も良好でした。かみ合わせにも問題が無かったため、ダイレクトボンディングが可能と診断しました。
矯正治療やラミネートベニアでも可能です。いずれにしても妥当な治療計画と考えます。
今回は、じゅうぶんご相談の上、それぞれの治療方法における利点欠点をご理解頂いてから治療開始といたしました。
結果としては自然な仕上がりが得られ、患者さんにはとてもご満足頂けました。

治療の詳細事前に歯の色を計測しておきます。

治療の詳細また、シミュレーションと形態ガイドを作製しておきます。

治療の詳細治療後、側方から確認した状態です。

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Case2 変色した詰め物をきれいにしたい

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Case2 変色した詰め物をきれいにしたい

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Case2 変色した詰め物をきれいにしたい

治療の詳細

治療前

治療前

治療開始前の状態です。
詰め物の変色、ステイン(着色)の付着、そして神経を抜いたことによる変色が認められます。

ステイン除去

ステイン除去

まず初めに、歯石除去、口腔衛生指導などの予防処置を行いました。
続いて、ステイン(着色)を除去するエアフローを実施しました。
エアフローとは、圧縮空気でカルシウムの粉を吹き付けてステインを除去する処置のことです。
ステインが除去されて、詰め物と歯の変色が明瞭に認識できるようになりました。

ウォーキングブリーチ後

歯の神経がなく、変色している歯(右下2番、画像では左側)に対してウォーキングブリーチを行いました。
他の歯との差が分からない程度まで漂白を行うことができました。

ウォーキングブリーチ後

治療後

治療後

治療対象は2本の歯でした。片方ずつ、ダイレクトボンディングにて審美修復を行いました。
保存不可能な歯の抜歯とともに、原因除去療法(ブラッシングの強化と歯石除去)を行いました。
引き続いて右側の歯にもダイレクトボンディングを施術しました。

治療後

所感

セラミッククラウン(かぶせもの)やラミネートベニアなどの治療法も検討いたしましたが、歯を削る量や、将来的に追加の処置が必要になった場合に対処がしやすくなる利点を考慮し、ウォーキングブリーチとダイレクトボンディングという治療法で決定しました。

治療結果にはご満足頂けて、現在は定期メインテナンスを継続しています。
ステイン(着色)は嗜好物によって再付着すると思われます。その際は再度ステイン除去を行う予定です。
今後とも引き続き注意深く、経過を観察していきたいと思います。

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Case1 むし歯の治療

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Case1 むし歯の治療

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Case1 むし歯の治療

治療の詳細

むし歯の治療

治療前

治療前

治療を開始するときの様子です。一見するとむし歯があるようには見えません。
(マイクロスコープを通して撮影した写真です)

治療中

治療中

治療を進めていくと、想定通りの状態でむし歯がありました。このむし歯を徹底的に除去していきます。
(マイクロスコープを通して撮影した写真です)

治療中その2

治療中その2

むし歯の除去が完了しました。この後はむし歯で溶けてしまった歯の形を修復する段階に入ります。
この状態から例えばインレーという詰め物で修復を行うとすれば、ここからさらに歯を削り込んでいくことになります。
今回は、これ以上の歯の切削を避けることができる、ダイレクトボンディングで治療を進めることとしました。
(マイクロスコープを通して撮影した写真です)

治療後

治療後

ダイレクトボンディンによる修復が完了しました。
自然な姿に回復できたと思います。
むし歯の再発を防ぎ、治療後のこの状態が長く続くことを願っています。

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Case1 詰め物が欠けた

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Case1 詰め物が欠けた

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Case1 詰め物が欠けた

治療の詳細

治療前

治療前

緊急でご来院されたときに応急処置を行い、後日、アポイントをとって頂いて治療を開始いたしました。

治療中

治療中

ラバーダムを設置した後、古い詰め物を除去していきます。
(マイクロスコープを通して撮影した写真です)

治療中その2

治療中その2

「う蝕検知液」でむし歯を染め出しながら、徹底的にむし歯を除去していきます。
う蝕検知液で染まらなくなるまで、この過程を何度も繰り返します。
(マイクロスコープを通して撮影した写真です)

治療中その3

治療中その3

クラウン(かぶせ)修復を行えるように歯の形を整えてから、iTero口腔内スキャナーでスキャンを行います。
(スキャナーで記録された三次元データから抽出した画像です)

治療後

セラミッククラウンによる修復が完了した状態の写真です。

今回の患者さんの場合、最終の形は部分修復(インレーやアンレー)ではなく、クラウンが最適です。
理由は二つあり、その一つは、多面修復よりもクラウンの方がより長持ちするという科学的根拠(エビデンス)があるためです。*1
もう一つは、この患者さんを拝見し始めてから12年が経過しており、その間の推移から判断して、歯が欠けたり割れたりする可能性を低くするためです。

治療後

*1 T.Miyamoto et al, Treatment history of teeth in relation to the longevity of the teeth and their restorations: Outcomes of teeth treated and maintained for 15 years. J Prost Den 2007

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Case2 深いむし歯だけど神経を残してほしい

2024.12.02 歯髄温存療法

Before

Case2 深いむし歯だけど神経を残してほしい

After

Case2 深いむし歯だけど神経を残してほしい

治療の詳細

治療の詳細左の下、前歯と奥歯の中間にある歯(第2小臼歯)にむし歯が見つかりました。通常の治療手順に従うと「神経を抜く」ということになりそうでした。ご相談の上で、保険外診療にはなりますが、神経を残しながらの治療を行うことを決定しました。

治療の詳細局所麻酔を行った後にラバーダムを設置します。少しずつ慎重に、かつ徹底的にむし歯菌を除去していきます。

治療の詳細むし歯を除去すると想定通り歯髄(歯の神経)が露出しました。

治療の詳細診断基準に基づき、当初の計画通りに歯髄温存療法が行えると判断しました。MTAセメントを用いて歯髄を保護します。

治療の詳細後日、痛みなどの症状がなく、歯髄温存療法は良好に経過していると思われました。最終のダイレクトボンディングを行い、治療完了となります。

治療の詳細治療後も定期メインテナンスでご来院頂いています。本記事の執筆時点で4年経過しましたが、特に問題なく、良好な経過をたどっています。今後とも引き続き慎重に経過を観察してまいります。

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Case1 神経を抜かずに治してほしい

2024.12.02 歯髄温存療法

Before

Case1 神経を抜かずに治してほしい

After

Case1 神経を抜かずに治してほしい

治療の詳細

治療の詳細久しぶりの歯科受診で検査を行ったところ、むし歯が見つかりました。
奥歯に深いむし歯があります。すでに歯の神経にまで到達していそうに見受けられます。
ご相談の上、歯髄温存療法で治療を行い、可能な限り歯の神経を残していけるようにという目標を立てました。

 治療の詳細治療を開始してからむし歯を除去していくと、当初の想定通り歯の神経に届きました。
この時点で「神経を抜く」という治療方針をとったとしても、医学的には妥当です。
数分経つと自然に出血がおさまりましたので、歯の神経を残せる可能性は高い、つまり歯髄温存療法が実施できると判断しました。

 治療の詳細MTAで露出した神経を覆います。今回の場合は2カ所ありました。

治療の詳細後日ふたたびご来院頂き、不快な症状(痛みなど)がないか確認します。幸いなことになんの症状もなく、歯髄温存療法はひとまず良好に推移していると判断できました。ダイレクトボンディングで修復を行い、治療完了といたしました。

治療の詳細その後も定期メインテナンスでご来院頂いており、この歯についても経過観察を行っています。治療後約4年、問題なく経過しています。今後とも引き続き慎重に経過を観察してまいります。

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Case1 抜くしかないと言われたけど・・・

2024.12.02 精密根管治療

Before

Case1 抜くしかないと言われたけど・・・

After

Case1 抜くしかないと言われたけど・・・

治療の詳細

抜くしかないと言われたけど・・・
奥歯のお痛みでお困りだった方ですが、以前に「治療ができないから抜くしかない」と聞いていたそうです。
通常の診察では歯の状態がはっきりと診断できなかったので、CT(コンピュータ断層撮影)を行いました。

Before

Before

すると歯の根っこが膿んでいることが確認できました。上顎洞にも炎症が広がっています。
この歯の根管(神経の管)の形はY字型といえばいいでしょうか、治療には難しさが伴います。
「治療ができない」という診断が下されても不思議ではありません。
その難しさを克服するために、CTとマイクロスコープを活用することで治療を完了させることができました。

After

After

一年後、根の情況を確認するためにあらためてCTの撮影を行いました。
上顎洞の炎症も消え、(まだ完全ではありませんが)骨が再生し、治癒傾向にあると判断できます。

定期メインテナンスに継続してご来院して頂いています。
今後とも引き続き慎重に経過をみてまいります。

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