新学期直前に間に合った!ダイレクトボンディングで前歯のすきっ歯を解消
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今回ご紹介するのは、前歯のすきっ歯(#12、#22)をダイレクトボンディング法で治療した20代女性のケースです。大学生の患者さんで、新学期が始まる前にすきっ歯を治したいとのご希望がありました。「歯を見せて笑えない」というのが最大の悩みだったそうです。歯科医療では、歯そのものの問題と同時に、その問題が解決されたときに患者さんの生活がどのように変わるのかを考慮しながら治療法を選択することが重要です。
初診時には複数の治療法をご説明し、治療期間を短く抑えられるダイレクトボンディング法を選択することになりました。以下では治療のステップをご紹介します。
治療のステップ
1回目 初診相談
– 患者さんのご希望を詳しくお伺いし、X線写真を撮影して前歯にむし歯や歯周組織の問題がないかを確認しました。
– すきっ歯の治療法は複数ありますが、むし歯もなく、歯ぐきやかみ合わせの状態も良好でしたので、ダイレクトボンディングが適用可能と診断しました。
– メリットやデメリットを他の治療法(矯正やセラミック治療など)と比較しながらご説明し、仮充填によってイメージを確認していただきました。
– その結果、患者さんにご納得いただき、スケジュールを決定しました。
2回目 歯石除去と型取り
– ダイレクトボンディングに入る前に、歯石除去とクリーニングを行い、口腔内を清潔な状態に整えました。
– その後、石膏模型を作るための型取りを行い、必要に応じてワックスアップ用の資料を準備しました。
3回目 ダイレクトボンディング
– 院長が診療時間外に、石膏模型を用いたワックスアップと形態ガイド(シリコーン製)の作製を行いました。
– 治療当日、来院された患者さんに計画した手順を改めてご説明し、マイクロスコープで確認しながら、すき間のないよう慎重にレジンを築盛しました。
– 仕上がりを鏡で確認していただいたところ、「これで心おきなく新学期を迎えられる」と大変喜んでいただきました。
– 今後は定期メンテナンスを通じて、治療部位のチェックや予防処置を続けてまいります。
京都市中京区 四条烏丸 愛歯科医院 金明善
マイクロスコープを活用した精密むし歯治療とダイレクトボンディング
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治療の経緯
今回ご紹介する治療例は、40代男性の方で、右下奥歯(#45)の銀の詰め物を除去し、むし歯部分を精密に除去した上でダイレクトボンディングで修復を行ったケースです。
愛歯科医院には「悪いところがあれば全部治してほしい」というご希望で来院されました。まずは緊急性の高い部分から順番に治療を行っていきました。緊急度、重要度から治療順序を決めていきます。多くの治療を行った中から、今回は一例をご紹介します。この歯は詰め物の大きさや位置などを総合的に判断した結果、コンポジットレジンを使ったダイレクトボンディングでの修復が適応可能と考えました。
治療ステップ
STEP 1:術前診断
・X線写真を撮影し、過去の治療で深い箇所はあるものの、歯髄(神経)までは達していないと診断しました。
・ダイレクトボンディングによる修復が可能と判断しました。
STEP 2:インレー(銀の詰め物)を除去
・局所麻酔を行い、ラバーダムを装着してから治療を開始しました。
・銀の詰め物(メタルインレー)を除去し、歯の内部を露出させました。
STEP 3:むし歯部分を除去
・歯の内部にあったセメントを取り除き、う蝕検知液を使いながらむし歯を丁寧に除去しました。
・取り残しがないように何度も確認を繰り返して、清潔な歯質面を確保しました。
STEP 4:歯髄保護
・ハイドロキシアパタイト(歯の主成分)を補給し、その上からコンポジットレジンでコーティングしました。
・脆弱な象牙質面を補強し、強度を高めるための処置を行いました。
STEP 5:ダイレクトボンディング
・失われた歯質を補い、もとの形態や機能を回復させるためにコンポジットレジンを直接充填しました。
・マイクロスコープ下で、むし歯の取り残しや修復物と歯とのすき間がないかを確認しながら丁寧に進めました。
治療後の状態
・自然な色調と形態を取り戻し、かみ合わせにも配慮した修復を実現しました。
・患者さんは治療結果にご満足され、今後も定期メンテナンスでむし歯の再発がないか経過観察を行う予定です。
京都市中京区 四条烏丸 愛歯科医院 金明善
Case2 変色した詰め物をきれいにしたい
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治療の詳細
治療前
治療開始前の状態です。
詰め物の変色、ステイン(着色)の付着、そして神経を抜いたことによる変色が認められます。
ステイン除去
まず初めに、歯石除去、口腔衛生指導などの予防処置を行いました。
続いて、ステイン(着色)を除去するエアフローを実施しました。
エアフローとは、圧縮空気でカルシウムの粉を吹き付けてステインを除去する処置のことです。
ステインが除去されて、詰め物と歯の変色が明瞭に認識できるようになりました。
ウォーキングブリーチ後
歯の神経がなく、変色している歯(右下2番、画像では左側)に対してウォーキングブリーチを行いました。
他の歯との差が分からない程度まで漂白を行うことができました。
治療後
治療対象は2本の歯でした。片方ずつ、ダイレクトボンディングにて審美修復を行いました。
保存不可能な歯の抜歯とともに、原因除去療法(ブラッシングの強化と歯石除去)を行いました。
引き続いて右側の歯にもダイレクトボンディングを施術しました。
所感
セラミッククラウン(かぶせもの)やラミネートベニアなどの治療法も検討いたしましたが、歯を削る量や、将来的に追加の処置が必要になった場合に対処がしやすくなる利点を考慮し、ウォーキングブリーチとダイレクトボンディングという治療法で決定しました。
治療結果にはご満足頂けて、現在は定期メインテナンスを継続しています。
ステイン(着色)は嗜好物によって再付着すると思われます。その際は再度ステイン除去を行う予定です。
今後とも引き続き注意深く、経過を観察していきたいと思います。
Case1 むし歯の治療
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治療の詳細
治療前
治療を開始するときの様子です。一見するとむし歯があるようには見えません。
(マイクロスコープを通して撮影した写真です)
治療中
治療を進めていくと、想定通りの状態でむし歯がありました。このむし歯を徹底的に除去していきます。
(マイクロスコープを通して撮影した写真です)
治療中その2
むし歯の除去が完了しました。この後はむし歯で溶けてしまった歯の形を修復する段階に入ります。
この状態から例えばインレーという詰め物で修復を行うとすれば、ここからさらに歯を削り込んでいくことになります。
今回は、これ以上の歯の切削を避けることができる、ダイレクトボンディングで治療を進めることとしました。
(マイクロスコープを通して撮影した写真です)
治療後
ダイレクトボンディンによる修復が完了しました。
自然な姿に回復できたと思います。
むし歯の再発を防ぎ、治療後のこの状態が長く続くことを願っています。