通院回数を減らしつつ行った抜歯即時埋入インプラント治療の一例
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ご相談内容
60代女性の患者さん。以前から担当していましたが、今回は「左上の奥歯が痛む」と緊急でご来院されました。#26(左上第一大臼歯)は再発を繰り返しており、「次に痛みや腫れが出たら抜歯の必要があります」と説明していた歯でした。
初診時の状況
– 歯の動揺と腫脹を確認
– 根尖部に透過像あり(慢性根尖性歯周炎)
– 京都から東京へ転居され、来院は数か月に一度
治療のご希望と方針
患者さんは、できるだけ少ない通院回数でしっかり噛める治療をご希望。失った歯を補う方法としてインプラント治療を選択されました。そこで抜歯と同時にインプラント体を埋め込む「抜歯即時埋入インプラント」をご提案し、同意を得て治療を開始しました。
治療の流れ
回数 | 主な処置 | 期間の目安* |
---|---|---|
1回目 | 抜歯+インプラント埋入手術(局所麻酔下) | 0日 |
2回目 | 消毒・経過確認 | 1週間後 |
3回目 | 経過観察 | 2~3か月 |
4回目 | インプラント体の安定を確認後、光学印象 | 3か月 |
5回目 | セラミッククラウン装着 | 4か月 |
6回目 | 最終経過確認・調整 | 5か月 |
*来院間隔が空いたため、全体の治療期間は初回緊急来院を含め、約6か月となりました。
経過と結果
– 手術後の痛み・腫れはほとんどなし
– インプラントの骨結合は良好
– セラミッククラウン装着後、自然な見た目と噛み心地を回復
– 現在も良好に経過し、3か月ごとのメンテナンスを継続予定
担当医からのコメント
来院間隔が伸びても経過が良好だったのは、患者さんが毎回丁寧にホームケアを続けてくださったおかげです。インプラントは「入れて終わり」ではなく、定期メンテナンスとセルフケア(ホームケア)が成功の鍵となります。今後も継続的にサポートしてまいります。
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*この症例は治療の一例です。状態やご希望によって最適な方法は変わります。まずはお気軽にご相談ください。
京都市中京区 四条烏丸 愛歯科医院 金明善
骨造成を回避したインプラント治療の一例
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治療の経緯
左下の奥歯(#36)に以前受けた治療が気になるとのことで来院されました。診察の結果、残念ながら残せる状態ではなく、抜歯以外の選択肢がないと診断しました。患者さんと相談のうえ抜歯を行い、その後は患者さんのご希望を尊重し、しばらく何もせず経過を観察しました。
経過観察をしていく中で、患者さんから「噛みにくさを感じるので、やはり歯を入れたい」というご要望があり、再度治療計画について説明。さまざまな方法を比較検討した結果、患者さんはインプラント治療を選択されました。
治療計画とポイント
抜歯前の段階で患部には強い炎症と膿がみられ、その状態が長期間続いていたため、歯を支える骨の形が失われ、いびつになっていました。このような骨量不足や形態異常がある場合、骨造成を行ってからインプラントを埋入することが一つの選択肢となります。
しかし、骨造成には下記のようなデメリットが存在します。
– 外科手術の回数が増える
– 治療期間が長くなる
– 骨造成の結果に不確実性がある
そこでこのケースでは、直径が大きく、長さが短いタイプのインプラントを選択することで、骨造成を回避する方針を立てました。
治療の流れ
1. 検査
– X線写真、CTスキャン、口腔内写真、光学スキャンなど、インプラント治療のための検査を実施
2. 設計・サージカルガイドの作成
– 歯科医師と歯科技工士が連携して治療計画を検討し、インプラント埋入手術のためのガイドを作成
3. インプラント埋入処置
– 骨造成は行わず、適切な形状のインプラントを選び埋入
4. 上部構造の装着
– インプラントが骨としっかり結合した後、セラミック製の上部構造を作成し、装着
治療後の経過
手術から1年後に撮影したレントゲンでは、インプラントが周囲の骨にしっかりと支えられているのを確認しました。むしろ骨量が増加しており、適切な位置・角度で埋入することで生体が良好に反応したと考えられます。歯ぐきのラインも自然で、審美的にも良好な結果が得られました。
今後は定期メンテナンスを続けながら、慎重に経過を観察していきます。
京都市中京区 四条烏丸 愛歯科医院 金明善
転居を控えていて、その前に治療を終えたい
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長年の通院の中で、抜歯が必要に
この患者さんは2005年から当院に通われていた方で、主に定期メンテナンスを受けながら口腔の健康を維持されていました。時折、必要に応じて治療を行うこともありましたが、大きな問題はありませんでした。
しかし、ある日の診察で、下の奥歯(#36)に深刻な問題があることが判明しました。この歯はすでに神経がなく、根の状態も弱っていたため、保存が難しいと判断。抜歯をする必要があると診断しました。
転居予定のため、治療期間を短縮
抜歯後の治療計画について相談した結果、患者さんはインプラント治療を選択されました。
しかし、近々転居を予定されていたため、治療期間をできるだけ短縮したいというご希望がありました。
通常、抜歯後に治癒期間を置いてからインプラント治療を行いますが、それでは治療完了までに時間がかかります。そこで今回は、抜歯と同時にインプラントを埋入する「抜歯即時埋入」を採用しました。
治療の流れ
– 診断・相談:抜歯の必要性を説明し、治療計画を決定
– 抜歯と同時にインプラント埋入(抜歯即時埋入):短期間で治療を完了するための選択
– 治癒期間:約6ヶ月(その間も転居前のメンテナンスを実施)
– 最終補綴(人工歯の装着):機能性・審美性ともに良好な仕上がり
治療結果と経過
治療はスムーズに進み、機能的にも外観的にも良好な結果となりました。転居前の定期メンテナンスでも特に問題は見られませんでした。
現在は転居されていますが、一時的にでも京都に戻る機会があれば、引き続きメンテナンスに通いたいとのお話を伺っています。今後も注意深く経過を追い、長期的にインプラントを健康に維持できるようサポートしていきます。
【まとめ】
転居やお仕事の都合などで、「できるだけ短期間で治療を完了させたい」という方も多いかと思います。そのような場合でも、患者さんの状況に応じた治療計画を提案し、可能な限りスムーズな治療を目指します。
インプラント治療や抜歯即時埋入に関するご相談がありましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。
京都市中京区 四条烏丸 愛歯科医院 金明善
抜歯即時埋入インプラント治療
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初診:クラウン脱離
この患者さんは、数年にわたって愛歯科医院で治療とメンテナンスを続けておられました。ある日、過去に他院で治療した歯の被せ物(クラウン)が外れてしまい、ご相談にいらっしゃいました。
診断と治療計画
クラウンが外れた状態で歯の根を詳しく確認したところ、深い部分まで亀裂が入っており、残念ながら保存が難しいことが分かりました。患者さんと相談の結果、インプラント治療を行うことに決定いたしました。
今回は、”抜歯と同時にインプラントを埋入する「抜歯即時埋入」”という方法を採用しました。この術式は、治療期間を短縮できるだけでなく、周囲の骨を最大限に残せるメリットがあります。
治療の流れ
初診(クラウン脱離): 2023年11月28日
精密検査: 2023年12月15日
治療方針の説明: 2023年12月27日
インプラント手術: 2024年1月24日
印象採得・仮歯の装着: 2024年3月15日
セラミッククラウン装着(最終補綴): 2024年3月22日
インプラント埋入からわずか2ヶ月で最終的なセラミッククラウンを装着できました。治療回数も少なく、見た目も自然な仕上がりとなりました。
こちらの写真は、インプラント埋入手術直後のX線(レントゲン)写真です。適切な深さと角度でインプラントが埋入されていることが示されています。
治療を終えて
患者さんは過去に他院でインプラント治療を経験されていたため、迷うことなく治療に踏み切られました。治療後も良好な経過をたどっており、現在も定期メンテナンスでご来院いただいています。今後も慎重に経過を観察しながら、長くインプラントが機能するようサポートしていきます。
【インプラント治療を検討中の方へ】
以前は、抜歯後に歯茎が固まるまで待ってからインプラントを埋入するのが一般的でした。しかし、その場合、治療期間が長くなってしまうというデメリットがありました。
抜歯即時埋入は、抜歯と同時にインプラントを埋入することで、治療期間を短縮しながら、周囲の骨を維持できる治療法です。状況によって適応が異なるため、ご興味がある方はお気軽にご相談ください。
Case1 入れ歯を卒業してインプラントにしたい
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治療の詳細
次のようなステップで治療を進めました。一般的なインプラント治療の進め方になります。
- 検査(CT等)、インプラント治療計画の立案
- サージカルガイドの製作
- インプラント1次手術
- インプラント2次手術
- 型取り
- 仮歯の製作、かみ合わせの確認
- 最終セラミッククラウンの製作と装着
- かみ合わせの確認と調整
現在も定期メインテナンスでご来院頂いており、良好な経過をたどっています。
(技工担当:有限会社Zahn/田中歯科技工士)