Case2 深いむし歯だけど神経を残してほしい
Before
After
治療の詳細
左の下、前歯と奥歯の中間にある歯(第2小臼歯)にむし歯が見つかりました。通常の治療手順に従うと「神経を抜く」ということになりそうでした。ご相談の上で、保険外診療にはなりますが、神経を残しながらの治療を行うことを決定しました。
局所麻酔を行った後にラバーダムを設置します。少しずつ慎重に、かつ徹底的にむし歯菌を除去していきます。
むし歯を除去すると想定通り歯髄(歯の神経)が露出しました。
診断基準に基づき、当初の計画通りに歯髄温存療法が行えると判断しました。MTAセメントを用いて歯髄を保護します。
後日、痛みなどの症状がなく、歯髄温存療法は良好に経過していると思われました。最終のダイレクトボンディングを行い、治療完了となります。
治療後も定期メインテナンスでご来院頂いています。本記事の執筆時点で4年経過しましたが、特に問題なく、良好な経過をたどっています。今後とも引き続き慎重に経過を観察してまいります。
Case1 神経を抜かずに治してほしい
Before
After
治療の詳細
久しぶりの歯科受診で検査を行ったところ、むし歯が見つかりました。
奥歯に深いむし歯があります。すでに歯の神経にまで到達していそうに見受けられます。
ご相談の上、歯髄温存療法で治療を行い、可能な限り歯の神経を残していけるようにという目標を立てました。
治療を開始してからむし歯を除去していくと、当初の想定通り歯の神経に届きました。
この時点で「神経を抜く」という治療方針をとったとしても、医学的には妥当です。
数分経つと自然に出血がおさまりましたので、歯の神経を残せる可能性は高い、つまり歯髄温存療法が実施できると判断しました。
MTAで露出した神経を覆います。今回の場合は2カ所ありました。
後日ふたたびご来院頂き、不快な症状(痛みなど)がないか確認します。幸いなことになんの症状もなく、歯髄温存療法はひとまず良好に推移していると判断できました。ダイレクトボンディングで修復を行い、治療完了といたしました。
その後も定期メインテナンスでご来院頂いており、この歯についても経過観察を行っています。治療後約4年、問題なく経過しています。今後とも引き続き慎重に経過を観察してまいります。