むし歯とは
むし歯とは、歯が細菌に侵されて溶けてしまうことをいいます。進行すると、本来は硬い歯がもろくなって、穴があいてきます。
早期に治療が行われないと徐々に深く進行し、いずれ歯の痛みが生じてきます。
歯科治療の基本原則
むし歯治療、歯周病治療をはじめ、感染性の歯の病気を治療するときの原則は次の通りです。
- 感染源および感染した組織を取り除くこと
- ダメージを受けた歯の機能を修復・回復させること
この原則は、時代が変わっても、また、治療に用いる器具や材料が変わっても同じです。
2022年現在においては、「塗っておくだけでむし歯菌がいなくなる薬」や「むし歯であいた穴がふさがる薬」、「歯が再生する薬」などは存在しません。
むし歯治療では、むし歯菌に冒された感染歯質を徹底的にとりのぞくことが求められます。
このとき、「むし歯を削る」ということになります。
精密むし歯治療の特徴
愛歯科医院の精密むし歯治療では、一歩先行くむし歯治療を実現するために、顕微鏡(マイクロスコープ)を活用します。
顕微鏡歯科治療のページに記載しているように、拡大して患部を観察するだけでなく、むし歯の広がりや治療過程を記録することが顕微鏡を使う理由です。
顕微鏡を使う際でも歯科医師の視野が限定されないよう、デンタルミラーをあわせて活用します。
ミラーを適切に使うことで、顕微鏡を使いながらでも、むし歯の見逃しや取り残しがないように治療を進めることができます。
もし取り残しがあれば、後にむし歯の再発という結果につながるでしょう。
精密むし歯治療の診療ステップ
診察・検査・診断
視診・触診、X線写真(レントゲン写真)、マイクロスコープ診査など、各種検査機器を適切に用いて、診察・検査・診断を行います。
前準備
むし歯治療を始める前準備として、クリーニングを行います。歯石や歯垢(プラーク)を取り除いておきます。
必要に応じて麻酔(局所麻酔)を行います。
ラバーダムを設置します。
ラバーダムを設置することで、治療中の水や薬品がのどに流れ込むことや、唾液中の細菌(口腔常在菌)が患部に入ることを防げるようになります。
また、患部を乾燥させることができるので、治療に使う接着剤や樹脂材料の、本来の性能を発揮できるようになります。
(ラバーダムが設置できない場合は、zooという吸引乾燥装置を使います)
むし歯の除去
マイクロスコープで観察しながら、むし歯を除去していきます。
この段階はいわゆる「歯を削る」というステップになります。
やみくもに歯を削るのではなく、患部をしっかり取り除くのだととらえてください。
歯髄保護・コーティング
むし歯の除去が完了した後は、歯髄(歯の神経)を保護し、再発をできるだけ防げるように処置します。
むし歯ができているということは、ほんらい外界に露出してはいけない歯の象牙質がむき出しになっている状態です。このままの状態ではふたたびむし歯菌の侵入を許してしまうことにつながります。
まず、MTAもしくはハイドロキシアパタイトを使い、傷ついた象牙質に対してカルシウムを補充します。
次に、歯と接着する樹脂材料で露出した象牙質をコーティングします。
ここまで進むと、むし歯の「治療」の段階が終わることになり、次の「修復」の段階に移ります。
むし歯が深く、神経に達していたら?
むし歯が進行すると歯の内部に向かって広がり、深くなっていきます。
歯の内部にある「歯髄」、いわゆる「歯の神経」にまでむし歯が広がっている場合、多くは「神経を抜く」、専門用語としては「抜随」という処置を行うことになります。
愛歯科医院ではそのような場合でも、歯髄温存療法(Vital Pulp Therapy)を積極的に行うことによって、歯の神経を守ることに力を注いでいます。
詳しくはこちらのページをご覧ください。
精密むし歯治療の、その後
先述したように、「治療」の段階が終わり、その歯からむし歯が(むし歯菌に冒された歯質が)なくなりました。この「治療」をしっかり行っておくことが、将来の再発を防いで長持ちさせる必須条件となります。
「治療」が終わった後は、歯の形と機能を回復する「修復」の段階に入ります。
むし歯の広がりやかみ合わせの状態などを勘案し、修復の方法が決まります。
修復の方法には、
・歯の一部分のみを修復するダイレクトボンディングやインレー、アンレー
・クラウン
などがあります。
ご注意いただきたいこと
健康保険適用外の診療になります。
治療成績を100%保証することはできません。
どのような修復になるのかは、医学的判断によって決められます。ご希望のみによって決めることはありません。
愛歯科医院ではいわゆる「ドックベストセメント(Doc's Best Cement)」による治療は行っておりません。
診療のお申し込み
お電話でもネット経由でも、ご都合のいい方法でご連絡ください